富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、世界最高※140倍ズーム・世界最望遠※11000mmを実現した放送用ズームレンズ「FUJINON HZK25-1000mm」(以下、「HZK25-1000mm」)を開発しました。
「HZK25-1000mm」は、4Kを超える光学性能を有し、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用した箱型タイプの放送用ズームレンズです。スーパー35mmセンサーまたは同センサーよりさらに大きい35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラと組み合わせて※2使用することが可能。近年、放送業界で利用が進むシネマカメラでの撮影に対応し、浅い被写界深度によるボケ味を生かしたシネマライクな映像表現をスポーツ中継やライブ・コンサート中継などで実現します。なお、「HZK25-1000mm」は2023年春の発売を予定しています。
当社は、2022年11月16日~11月18日に、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される国際放送機器展「InterBEE 2022」にて「HZK25-1000mm」を出展する予定です。
現在、スポーツ中継やライブ・コンサート中継などの撮影現場では、ボケ味やハイダイナミックレンジを生かした没入感のある映像表現へのニーズが高まる中、放送業界で主流のセンサー※3を超える大型センサーを搭載したシネマカメラによる撮影が進んでいます。しかし、シネマカメラ用レンズは、映画やCMなどの撮影用途に最適化されているため、放送用レンズと比べてズーム倍率が限られ、またフォーカス操作専任者を必要とするなど放送業界での撮影と異なるオペレーションが生じます。このため、大型センサーに対応しながらも、箱型タイプの放送用レンズと同じ操作を可能とする高倍率ズームレンズが求められています。
今回開発した「HZK25-1000mm」は、長年培った光学技術を駆使することで世界最高40倍ズーム・世界最望遠1000mmを実現した放送用ズームレンズです。「HZK25-1000mm」は、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用。通常はスーパー35mmセンサーに、さらに内蔵のエクスパンダー※4の使用によりイメージサークルを1.5倍に拡張することで、35mmフルサイズ相当のセンサーにも対応します。また、いずれのセンサーの場合でも同じ画角で撮影することができます。
「HZK25-1000mm」は、広角側でF2.8の明るさを実現し、浅い被写界深度による美しいボケ味を生かしたシネマライクな映像表現が可能であるほか、大口径非球面レンズと蛍石レンズ※5で各種収差を徹底的に抑制し、4Kを超える光学性能を発揮します。また、シネマカメラに装着しながらも、ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた放送用レンズと同じスタイルで操作が可能。すでに発売している、豊富なアクセサリー※6も使用できます。このほか、独自開発の「セラミックボールローラー方式」 を採用した防振機構を搭載。会場の振動や風による揺れを的確に補正し、安定した映像撮影を実現します。
当社は、長年、放送カメラマンのきめ細かなニーズをとらえた放送用レンズを開発・提供する中で、2015年には世界で初めて4K対応放送用レンズを発売。8K対応放送用レンズもラインアップし、映像の高画質化をリードしてきました。またシネマ業界では、2009年の「HKシリーズ」の発売を皮切りにシネマカメラ用レンズを充実。現在展開する5シリーズの中でも、ラージフォーマットセンサー※7対応のシネマカメラ用ズームレンズ「Premistaシリーズ」は、圧倒的な解像力や高い利便性から、映画やCMなどの映像制作現場において高い評価をいただいています。今後も、当社は、高性能なレンズ、さらには快適な撮影をサポートするアクセサリーを開発・提供し、多様化する映像制作現場のニーズに応えていきます。
放送用ズームレンズ「FUJINON HZK25-1000mm」
- 長年培った光学技術を駆使して開発した放送用レンズ。広角25mmから世界最望遠1000mmまでの焦点距離をカバーする世界最高40倍ズームを実現します。
- レンズに内蔵されているエクスパンダーを使用することで、焦点距離を望遠側に1.5倍伸ばした37.5mm~1500mmにシフトさせることが可能。遠く離れた場所からでも被写体を意図通りの大きさでとらえることができます。
- シネマカメラで主流である、2つの大型センサーに対応したデュアルフォーマット方式を採用しました。通常はスーパー35mmセンサーに対応。さらに内蔵のエクスパンダーを使用すると、イメージサークルの大きさを1.5倍拡大できるため、35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラにも使用できます。
- 35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、優れた光学性能を最大限引き出しながら、スーパー35mmセンサーと同等の画角での撮影を可能とします。
- 高精度に研磨された大口径非球面レンズ・蛍石レンズの採用により、各種収差を徹底的に抑制。4Kを超える光学性能を発揮します。さらに、ゴーストやフレア、色にじみを抑えることで、高精細かつ自然な描写を実現します。
- 大型センサーに対応する高倍率レンズながら、広角側でF2.8の明るさを実現。屋内コンサートなど低照度環境下での撮影が可能です。
- 独自開発の光学設計アプリ「FOCUS」を用いて、ボケ味のシミュレーションを実行。アウトフォーカス部をいくつかのレイヤーに分けてボケの質感を検証し、ピント面から背景にかけて自然に溶けていくボケ味を実現しました。被写体を際立たせたシネマライクな映像表現が可能です。
- 独自開発の「セラミックボールローラー方式」を採用した防振機構を搭載。会場の振動や風による揺れに対して高い防振性能を発揮するだけでなく、揺り戻しも抑制することで、安定した映像撮影を実現します。
- シネマカメラに装着しながらも、ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた放送用レンズと同じスタイルで操作が可能。すでに発売している、箱型タイプの放送用フジノンレンズのアクセサリーも使用することができます。
- 複数台のカメラで同時に撮影を行うマルチカメラオペレーションにも対応。効率的な映像制作をサポートします。
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